犬猫の殺処分ゼロへの願い込め花育てる(2012/07/02 14:04




犬や猫の殺処分をゼロにしたい

青森県立三本木農業高校(十和田市)の生徒たちが、

殺処分された犬猫の骨を引き取り、肥料として土に混ぜて花を育てる活動に取り組んでいる。

伝えたいのは、

ペットブームの裏側で繰り返される殺処分の現実と、

飼い主の都合などで〝処分〟された動物たちの命の重さ。

生徒は「殺処分がゼロになる方法をみんなで考えてほしい」

と訴えている。(岩淵修平)


活動を始めたのは、

同校動物科学科愛玩動物研究室の3年生14人。

骨を肥料にして校内で育てた花をプランターや鉢植えに分け、

犬と飼い主が参加するイベントで配布したり、

市内の保育園や老人ホームに届けている。


受け取った人からは、「愛犬と同様、大切に育てたい」

などの感想が寄せられる。

木崎加奈子さん(17)は

「動物を飼っている人もそうでない人も、考えるきっかけになれば」と願いを込める。

活動のきっかけは3月の県動物愛護センター(青森市)見学。

焼却後の骨が事業系廃棄物、

つまり「ごみ」として捨てられているという事実に、生徒たちは大きなショックを受けた。

石川原美結樹さん(17)は「何もしてあげられないのが悔しかった」と話す。


どうすれば殺処分を減らせるか。話し合いの末、

せめて骨を土に返し、多くの人に命の貴さを伝えようと、花を育てることを発案。

活動は「命の花プロジェクト」と名付けた。

同センターから引き取った骨は、

生徒たちが手作業で砂状に細かく砕いた。


焼け焦げた首輪や臓器なども残っており、泣きだす生徒も多かったという。

それでも、殺処分をゼロに近づけようと、活動を続けている。

一方、犬猫の骨を肥料として使うことに対し、「かわいそう」などという声もある。

赤坂圭一教諭(39)は

「賛否両論があるのは分かっているが、

生徒の思いを伝える方法は、ほかに思い浮かばなかった。

涙を流して感動してくれる人もおり、考えるきっかけになっていると思う」と語る。

同センターによると、

2011年度に殺処分されたイヌは788匹、ネコは2621匹に上る。

イヌはやや減っているものの、ネコは増加傾向で、その半数以上が子ネコだという。

【写真説明】
三本木農業高の生徒たちが、

犬や猫の殺処分をゼロにしたい

と願いを込めて育てるサルビア=6月28日、十和田市

詳しくは本紙紙面をご覧ください。

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