野良猫で自治会苦悩 亀山市みどり町

野良猫で自治会苦悩 亀山市みどり町

2011年10月21日

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亀山市みどり町で捕獲され、保護団体が不妊手術をした猫=鈴鹿市

回覧板で捕獲呼びかけ 全国から抗議殺到

 亀山市みどり町の町連合自治会が、野良猫を捕獲して保健所に引き渡すと回覧板で呼びかけたところ、インターネット上で出回る騒ぎとなり、全国の愛好家から抗議が殺到した。県内の保護団体は野良猫の不妊去勢手術を始めたが、数が多すぎて頭を悩ませている。

 毛並みがつややかなメスの野良猫が、オリの中でこちらの様子をうかがう。同市みどり町で捕獲され、不妊手術を受けたばかりだ。

 「見た目は飼い猫と変わりません。住民にえさをもらっていたようです」。猫を保護したNPO法人「グリーンネット」(鈴鹿市)の武藤安子理事長が話す。

■やむなく決断

 連合自治会の浜田清昭会長(67)によると、町内には100匹以上の野良猫がいるとみられ、えさをやる住民も十数人にのぼるという。ふんや尿、発情期の鳴き声、庭を荒らされるといった苦情が数年前から続き、町内すべての自治会長の同意を得たうえで、9月22日付の回覧板で捕獲を呼びかけた。今月11日~11月30日に自治会が野良猫を捕獲し、保健所に連れて行くとの通知内容だ。

 猫の不妊去勢手術には通常、1匹あたり数万円かかる。浜田さんは「自治会費から手術費を出すのはとても理解が得られない。苦情が続いており、やむなく捕獲を呼びかけた」と話す。

■ネットに転載

 ところが、ネット上に浜田さんの名前や自宅の電話番号が出回り、今月7日ごろから約70件、抗議の電話がかかった。ほとんどは東京や名古屋、神戸など県外からだったという。「毒餌を置くのも効果的」との記載もネット上に転載されたが、自治会は実際には毒餌を使っていないという。

■不妊手術限界

 県薬務食品室は「保護団体による引き取りなどの方法を探すよう、自治会に働きかけたい」と話す。グリーンネットと自治会は17日までに21匹を捕獲し、グリーンネットの会員が自費で不妊手術をした。このうち4匹は、町内に戻した。

 武藤理事長は「野良猫だった猫を室内で飼うのは難しく、これ以上引き取れない」と話し、今後も手術をしてから戻す方針だ。地域でルールを決める「地域猫」の活動を進めるため、先進地の関係者によるセミナーを開くことも検討している。

 問い合わせは武藤さん(d-kaihou@onyx.ocn.ne.jp)、募金は郵便振替「特定非営利活動法人 グリーンNet 00810・4・198541」。

◆「地域猫」先進地の横浜 話し合いルール作り

 地域ぐるみで猫を飼育する「地域猫」の取り組みは、10年ほど前から全国で模索されている。

 大阪市は今年4月、「公園ねこ」のサポーター制度を始めた。名古屋市でも今年7月に保健所や獣医師会などによる協議会が初会合を開き、ボランティアの委嘱などをめざしている。

 横浜市磯子区では、1999年に区民公募の検討委が「猫の飼育ガイドライン」をまとめた。不妊手術やえさの場所を決めること、ふんの始末などをルール化。現在は27グループが世話をしている。ガイドライン推進協の坂田充古(みつこ)事務局長は「活動が住民に認められることが必要だ」と話す。年単位の時間がかかる地域もあるという。

 えさをやる住民と話し合い、地域でごみ出しのルールを徹底するなど「猫が居着かない環境」をつくることも大切だと指摘。「不妊手術で一時的に猫を減らしても、住民が話し合って環境を変えない限り、また猫が増えるだけだ」と話す。
(高木文子)

 

 

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